2007/10/12 神戸新聞
世界的な農作物の価格上昇にあえぐ食品業界。中でもチョコレート各社に、新たなコスト増の要因がのしかかる。昨年厚生労働省が始めた残留農薬規制強化の影響で、原料のカカオ豆の調達が滞っているからだ。農薬が付着しやすい豆の皮を除去して製造した半製品を輸入すれば問題はないがコスト増は確実。クリスマスやバレンタインなど需要が高まる冬場を前に、各社は対応に追われている。(西井由比子)
農薬規制に違反し、メーカーに届かなかったカカオ豆は二〇〇六年で約五千トン。規制強化前の〇五年(二十五トン)の二百倍に膨れ上がった。
〇六年のカカオ豆輸入量(約七万トン)に占める違反分の比率は約7%と少ないが、日本で好まれる風味のガーナやエクアドル産が大半を占めるため、生産に与える影響は大きい。
業界団体の日本チョコレート工業協同組合(東京)はカカオ豆を半製品に加工して各メーカーに販売しているが、豆の入手が困難になり、在庫でしのいでいる状況。現状では、来年春にも在庫が底をつく見通し。
同組合の半製品を使うモロゾフ(神戸市東灘区)の川喜多佑一社長は「年明けにも半製品を輸入に切り替えるべきだ。商品は10%程度値上げせざるを得ないのではないか」との見方を示す。神戸のほかのメーカーでは既に輸入を始めたところもあるが、製品のレシピを外部に持ち出すことに抵抗するメーカーも少なくない。
残留農薬が検出されるのはカカオ豆の皮。チョコの製造過程で皮は除去する上、豆に微量の農薬が残っていても、焙(ばい)煎(せん)工程で蒸発する。同組合は「皮はチョコの品質に直接関係ない。欧州では残留農薬の検査対象になっていない」と、皮を検査対象から外すよう、厚労省に求めている。
だが同省は、皮から防腐剤や防虫剤以外の農薬も検出されたため「流通経路全体で衛生面の見直しが必要」と指摘する。
ガーナやエクアドル政府に農薬管理の強化を要請している業界団体もあるが、明確な効果は見えない。「厚労省の検査方針が変わらなければ値上げは必至。消費者にどれだけ理解してもらえるか-」とあるメーカーの経営者は苦悩の表情を見せている。
なかなか大変なことになっています。食品の安全性は大切ですが、商品がなくなってしまうのも困りものです。なにかいい方法はないのでしょうか?
